カネカの「育休明け転勤問題は問題に値しない」という見解に、ネットから様々な角度で批判・非難が集中し、さらに炎上・延焼することになってしまいました。
↓カネカの問題って何?という方は下記を参照ください。
この記事では、そのカネカの対応と秀逸で正論すぎるTwitterとはてぶの声をまとめました。
今回の件でカネカは何が悪かったのか、問題点はどこなのかが一目で分かります。
カネカ「育休明け転勤」問題に公式見解
カネカの「育休明け転勤」問題に対する公式見解は以下です。
ポイントを太字にしますので、読むのがめんどくさい方は太字だけお読みください。
当社元社員ご家族によるSNSへの書き込みに関し、当社の考えを申し上げます。
- 1. 6月2日に弁護士を含めた調査委員会を立ち上げて調査して参りました。6月3日には社員に向けて、社長からのメッセージを発信致しました。更に、6月5日に、社内監査役及び社外監査役が調査委員会からの報告を受け、事実関係の再調査を行い、当社の対応に問題は無いことを確認致しました。
- 2. 元社員のご家族は、転勤の内示が育児休業休職(以下、育休とします)取得に対する見せしめである、とされていますが、転勤の内示は、育休に対する見せしめではありません。また、元社員から5月7日に、退職日を5月31日とする退職願が提出され、そのとおり退職されております。当社が退職を強制したり、退職日を指定したという事実は一切ございません。
- 3. 当社においては、会社全体の人員とそれぞれの社員のなすべき仕事の観点から転勤制度を運用しています。 育児や介護などの家庭の事情を抱えているということでは社員の多くがあてはまりますので、育休をとった社員だけを特別扱いすることはできません。したがって、結果的に転勤の内示が育休明けになることもあり、このこと自体が問題であるとは認識しておりません。
- 4. 社員の転勤は、日常的コミュニケーション等を通じて上司が把握している社員の事情にも配慮しますが、最終的には事業上の要請に基づいて決定されます。 手続きとしては、ルール上、内示から発令まで最低1週間が必要です。発令から着任までの期間は、一般的には1~2週間程度です。転勤休暇や単身赴任の場合の帰宅旅費の支給といった制度に加え、社員の家庭的事情等に応じて、着任の前後は、出張を柔軟に認めて転勤前の自宅に帰って対応することを容易にするなどの配慮をしております。
- 5. 本件では、育休前に、元社員の勤務状況に照らし異動させることが必要であると判断しておりましたが、本人へ内示する前に育休に入られたために育休明け直後に内示することとなってしまいました。 なお、本件での内示から発令までの期間は4月23日から5月16日までの3週間であり、通常よりも長いものでした。 また、着任日を延ばして欲しいとの希望がありましたが、元社員の勤務状況に照らし希望を受け入れるとけじめなく着任が遅れると判断して希望は受け入れませんでした。 着任後に出張を認めるなど柔軟に対応しようと元社員の上司は考えていましたが、連休明けの5月7日に、退職日を5月31日とする退職願が提出されたため、この後は、転勤についてはやり取りがなされませんでした。このため元社員は転勤に関しての種々の配慮について誤解したままとなってしまったものと思います。
元社員の転勤及び退職に関して、当社の対応は適切であったと考えます。当社は、今後とも、従前と変わらず、会社の要請と社員の事情を考慮して社員のワークライフバランスを実現して参ります。
なんというか、、いろいろ言いたいことはありますよね。。
ネットの声の前に一つ自分が腑に落ちない点があるので触れます。
時系列がおかしい
元社員から5月7日に、退職日を5月31日とする退職願
・退職願は5/7に出した。
内示から発令までの期間は4月23日から5月16日までの3週間
・内示が4/23
・発令が5/16
つまり
内示(非公式で本人にだけ伝える)が4/23
↓
いろいろ相談するも拒否られたので5/7に退職届を出した
↓
会社として止める様子はなかったようなのでおそらく即受理
↓
5/16発令(転勤を正式に命じる)
5/16の発令おかしくない?
って感じですよね。辞めるのが決まってるのになんで発令?って感じです。
ネットの声でこちらを指摘する声がなかったので書きました。
つまりもっと言うと内示から発令を通常より長くしたと言いたいがための偽造とも取れますよね。
なお、本件での内示から発令までの期間は4月23日から5月16日までの3週間であり、通常よりも長いものでした。
この辺詳しい訳ではないので、間違ってたら教えてくださいm(__)m
はてぶの声
はてなブックマークの声を掲載します。(スター数順)
火にカネミ油そそいでてワロタ
カネミ油に関しては昔の事件だそうです。
“育児や介護などの家庭の事情を抱えているということでは社員の多くがあてはまりますので、育休をとった社員だけを特別扱いすることはできません。”育児介護休業法第26条(労働者の配置に関する配慮)の違反かと…
育児介護休業法第26条(労働者の配置に関する配慮)があるんですね。こういう件があると法律について知るきっかけにもなりますね。
有給使うの拒否した件はどうなんでしょう(本文中で触れてないですよね)
そうねんですよね、自社の非は全く触れてないですよね。
違法行為である有給拒否には触れず、社員の事情には今後も一切の配慮をしませんと宣言……すげえな、すげえヒールしぐさ
悪役買って出てますね。
育児や介護って誰にとっても他人事じゃないのに、それを理由に配慮しない宣言しちゃうの怖くて働けない。有給も使わせたくないみたいだし、天涯孤独なロボットだけ雇っとけよ。
人を人として見てない→ロボット
“元社員の勤務状況に照らし希望を受け入れるとけじめなく着任が遅れると判断”ただの社員に対する悪口でクソ笑う(そして有給取得拒否は完全無視決めてる)
公文で社員をなじるの結構ドン引きですね。。
“したがって、結果的に転勤の内示が育休明けになることもあり、このこと自体が問題であるとは認識しておりません。”いやいや、これが問題だよねって社会として提起されてるんじゃないの。
ここら辺の文章にも社員を考えてないことが出てますよね。
今回の問題提起の主眼は「共働き・共同育児家庭で家を買ったばかりの社員に育休明けに転勤命じるのはムチャじゃね?」であるのに対してカネカ側の回答は「特に育休とか考慮せずに『公平』にやってくんでシクヨロ」。
要点わかりやすいです。
有給申請却下されたから5/31になったんですよね?って事は否定しないし釈明しないし有給申請拒否したのも事実ではあるんだろうね、敢えて言わないのは。
もう会見でもした方がいいのでは…。さらに炎上するかもですが。
「転勤は(中略)発令から着任までの期間は、一般的には1~2週間」「元社員の勤務状況に照らし希望を受け入れるとけじめなく着任が遅れる」ヤベぇぞこの企業。元社員の勤務態度に問題があったかのように書いてる。
ここにきて元社員をなじるのはどうかと思います。
Twitterの声
ダメですね、これは。
育介法26条は、転居を伴う異動で育児や介護が困難となる労働者にその状況に配慮することを規定してます。カネカは、全く配慮してないですね。
公表された「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」(平成29年3月30日厚生労働省雇用均等・児童家庭局)も無視。 https://t.co/chlQ3lPUIQ— 嶋﨑量(弁護士) (@shima_chikara) June 6, 2019
弁護士のご意見なので説得力ありですね。
カネカの転勤問題は、実際に企業側に懲罰目的があったかどうかは意外とどうでもよくて、それよりも結果的に従業員から見ると懲罰的な転勤に見えてしまったところに問題の本質があると思うんですよね。それを理解して対応しないと、ずっと火に油を注ぎ続けることになるような気がしてなりません。
— 米村歩@日本一残業の少ないIT企業社長 (@yonemura2006) June 6, 2019
自分も営業時代よく言われてました。「おまえがどう言ったかじゃなくて、受け取り側がどう捉えたかだ」
つまりそういうことですね。
カネカの声明,「育児や介護などの家庭の事情を抱えているということでは社員の多くがあてはまりますので、育休をとった社員だけを特別扱いすることはできません。」「会社の要請と社員の事情を考慮して社員のワークライフバランスを実現して参ります。」の二つが同じページにあるのすごい
— SKSの申し子 (@repeatedly) June 6, 2019
社員のワークライフバランスを実現していません、と表記していればここまで炎上していないかもしれませんね。
カネカの公式見解、「違法じゃないからいいだろ!?」感が出すぎ、完全に今の社会情勢や世論を汲み取れてないのが痛々しい…
「社員の事情を考慮してワークライフバランスを実現」と締めてる同じ文中で「育休取得者も特別扱いせず、辞令から1~2週間で転勤させるし、問題だと認識していない」とか書く!? pic.twitter.com/e469DUX2IL
— ブラック企業アナリスト 新田 龍 (@nittaryo) June 6, 2019
今の社会情勢や世論は本当に逆走していますね。
カネカる:男性育休を取った社員、マイホームを購入した社員等を報復的に転勤で飛ばすこと。
用例)「俺、子どもが産まれるから育休取ろうかと思って。妻も大変だろうから、一緒にいてあげたくて」「やめとけよ、カネカられるぞ」
— 駒崎弘樹 ( Hiroki Komazaki )@情シス担当募集 (@Hiroki_Komazaki) June 6, 2019
カネカられる…。
カネカ「転勤の内示が育休明けになることもあり、このこと自体が問題であるとは認識しておりません」
今時こんなだと男子学生から就職先として選ばれないことわかってない https://t.co/WcigP6gmWX
— 藤田結子 Yuiko Fujita (@yuiko_fujita) June 6, 2019
就職にどう響くんですかね~、逆にこの逆境で競争率が低くなりチャンスだと思って短期間と割り切って入る人もいるかも。
いわゆる古い体質の会社に勤めているのでカネカの言い分は全部まぁそうなんだろうなって感じだけど、もうこんな対応じゃ時代にそぐわないんだろうな〜。これを機に古い体質の会社は変わってくれればいいけど。
— ななし (@nanashi_sansan) June 6, 2019
育児・介護休業法のQ&Aで育休終了から1年以内の不利益な異動は育休が原因と判断される、なので社長発表は見てないですが、法上は通常の人事とは判断されないんですよ。
カネカに社労士いないんですかね。— Sesiria (@Sesiria) June 5, 2019
>育休終了から1年以内の不利益な異動は育休が原因と判断される
これは知りませんでした…。
カネカの公式見解の何が嫌って本来会社と本人の問題なのに「育児や介護等の家庭の事情を抱えているのは社員の多くがあてはまる」「育休をとった社員だけ特別扱いする事はできません」って皆我慢してるんだよ?って同調圧力かけると同時に特別扱いとか言って立場的弱者同士の殴り合いにさせてるトコだよ
— 睦月📕 (@mousyun) June 6, 2019
カネカのプレスリリース100%非を認めず強い。世論では論点はリーガルではなく、モラルになってることを無視して経営陣が火に油を注ぎまくる。「当社の対応に問題は無いことを確認致しました」「元社員の勤務状況に照らし希望を受け入れるとけじめなく着任が遅れると判断」https://t.co/FsyWoQjWIJ
— かいかぶり (@kannaload) June 6, 2019
本当に非を認めてないですよね。
自分もそこは強く感じました。
最大のピンチもチャンスに変えれなかったんですね…。一部でも否を認めていたら印象は全然違うはず
>元社員の転勤及び退職に関して、当社の対応は適切であったと考えます。当社は、今後とも、従前と変わらず、会社の要請と社員の事情を考慮して社員のワークライフバランスを実現して参ります https://t.co/AvisIvSHP4
— hoshi@フロントエンドフリーランス (@funclur_01) June 6, 2019
まとめ
今回の件でカネカは最後まで社員を大事にしないを突き通しました。
これで終了なのか、はたまた何か展開があるのか…。
ある意味これだけ今回の件が批判・非難されるということは全うな意見が多い社会になってきたと言えるかもしれません。
このような企業が少なくなることを願うばかりです。
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