先日下記記事がバズっていました。
タイトル通り3年半でプログラマーを辞めた方の退職エントリです。
文系でプログラマーになったけど色々失敗して3年半で会社を辞めた話
こちらの記事を要約すると以下です。
- 新卒でプログラマーになった
- プログラミングに着いていけなくなってかつ凄腕先輩たちのフォローも薄かった
- 一度逃避を試みるが、また頑張ろうと決意
- フロントエンドエンジニアは楽しめた
- 職種を広げるためデザイナーになったがリテイク(フィードバック)が続いた
- うつ病になり休職
- 復帰したがこのままの生活に疑問を感じ会社を辞めることを決意
- 辞めたおかげで元気を取り戻し今は以前からなりたかった絵描きとプログラミングを融合させることをしたい
非常に長い文章ではありますが、描写がリアルで例えなども分かり易く全部一気に読めてしまいますので是非一読ください。
その上で、自分の経験も踏まえ所感を書いていきたいと思います。
ブックマーカー、Twitterの反応
まずははてなブックマーク(1/21時点で1500越え)とTwitterの皆さんの反応です。
営業とか経理の勉強に「その先」を求める人はそんなにいないのに、プログラマーは求めがちな気がする。「単なる飯の種ですわ。ガハハ」ではいかんのだろうか。/営業・経理に失礼な物言いかな。申し訳ない。
インターネットが普及して、誰もが最先端のエンジニアであることを求められてしまうと若手は大変かもね… OSSのコミッタやqiitaで人気の記事書いてる人なんて一握りだと思うよ。
良い意味で文系のプログラマーにしか書けない記事。文体がとても詩的で美しい
理想のプログラマ像が高すぎて、現実とのギャップに悩みすぎ。世の中のプログラマは結構適当なやつ多い。自分も含めてw
自分に酔いすぎだと思った。
ITエンジニアになって手に職つけましょう!みたいな風潮あるけど、こういう人たちが大量生産されているとも言える。合わない人には本当に合わない。
“とりあえず動いて表示される」を繰り返すことが私にとっては必要だった。” これめちや大事
理系情報専攻でも同じような状況に陥ったので、文系とか関係なく本人の資質次第と運と波だと思う。
30のときに営業から転職した文系プログラマです。やりたいことが見つからない時は遊ぶ、仕事で知識が必要になったら必死に勉強する、を繰り返してます
この人の気持ち解る気がする。このままでいいのか、このままでいたとして、そしてどうする、みたいな問い。
・流行ってるから
・収入が大きいから
・場所や時間がフレキシブルに働けるから
・何か作るのが好きだから上記のような理由が学習のきっかけになるのは望ましいが、それだけでなくどこかでプログラムを書くこと自体を好きになれないと、こうした辛い結末になってしまうかもhttps://t.co/eRkqdpM5SL
— かずたか@プログラミング独学で2社起業 (@kazutaka_dev) January 21, 2019
これは、ものすごく読む価値のある記事だと思う。
誰にでも起こりうる問題の1つであるかと。 https://t.co/0I0UT32qRT— ヒツジ@精神と時の部屋 (@sheepWebiOS) January 21, 2019
最近思いだしたけど、別にプログラム好きだからプログラマーになったわけじゃなかった。作ることが好きだからプログラムって手段を身に着けたんだった。
それを思い出してから転職を決めました。年収少し下がるけど副業などでカバーして作りたいモノを作れる環境に移ります。 https://t.co/5g98oU3qRs— さぶぽて (@sublime_poteto) January 21, 2019
多分この方は頑張りすぎてしまったように思います。プログラムに限らずですけど、自分のペースって結構大事だと思うんですよね。人それぞれですからね。
文系でプログラマーになったけど色々失敗して3年半で会社を辞めた話|denkigai|note(ノート) https://t.co/a9FB6jkZtZ
— 米村歩@日本一残業の少ないIT企業社長 (@yonemura2006) January 21, 2019
>「Ruby on Railsでinstagramみたいなサービスを作ってみましょう!」程度の知識の人間がJavaでOAuth2.0の各機能を実装をするのはハードルが高すぎた。
すごく分かる。難しいことを一度に複数やらなきゃいけない状況は本当にテンパるので周囲のサポート必要ですよね〜(^.^;)https://t.co/IxkyUbTwfp
— 勝又健太@テック系YouTuber (@poly_soft) January 21, 2019
自分の見解
この文章を読んでいるとそもそもそこまで「文系だから」挫折というようなことは関係ないと思いました。
前提として理系でもプログラミング苦手であったり、文系でもガンガン新しいことに着手できる人はいます。
プログラミングに着いていけなくなってかつ凄腕先輩たちのフォローも薄かった
問題点は下記かなと思います。
- 少数精鋭のチームが良いですと言ってしまったこと
- 会社の教育体制
私は調子に乗って「少数精鋭のチームが良いです」などと人事に配属先の要望を出していた
配属先のチームの人達は私のような素人がやってくることなど知らないし、そういう人間を育てていく準備もなかった。配属先は海外向けサービスの会員認証基盤を作るプロジェクトだったが、「Ruby on Railsでinstagramみたいなサービスを作ってみましょう!」程度の知識の人間がJavaでOAuth2.0の各機能を実装をするのはハードルが高すぎた。
この文面でしかわかりませんが、つまり会社はガンガン自走できる人を求めていた。
まだ自走できない人にはそれまでの教育が必須かなと思います。
ここで誤解してほしくないのは、どこの会社も放置気味な教育ではないということ。
むしろIT企業は教育の文化が根付いてる方だと思います。
ともかくその荒波に自分で乗り込んでしまったわけです。これはどう考えても非マッチングです。
新卒が100人ということですから結構な大企業と想像できます。
恐らく研修を経て、課題等のできを考慮して配属を決めるとは思うのですが、経歴や成果物を無視して「少数精鋭のチームが良いです」という言葉のみを考慮して配属してしまった会社が全ての根源な気がします。
コミュニケーション不足の可能性
私は「何がわからないのか分かっていない」状態であり、チームの先輩社員たちも「コイツが何がわからないのか分からない」と思っていた。実際、ある日メンター社員に「君が何が分からないのかわからないんだけど」と言われたことがあった。
に関しては、初学者あるあるですね。覚えることがありすぎて、手順で覚えなきゃいけない時に、1がわからず進むから3がわからなくなる。そういえば2も分かってない。何が(どこから)わからないのかわからないという状況かと思います。
これに関しては、メンターの言葉は正しいと思うけど、その後が大事でちゃんとわからないことを言葉で説明し、メンターもそれをひも解いてあげることが必要だったのだと思います。
後輩を追い込むことは良くない
ある日全く手が動いていない私を見たメンター社員が「連休明けたら会社辞めてた、なんてことないようにね」と冗談で言っていた。
恐らくこの時には遅れをとってることは周知の事実だったと思うんですが、このメンター社員の精神的な追い込みが正しかったのかは疑問です。
一生懸命覚えようとしていたかはわかりませんが、その場合この言葉を受けて冷たい印象を抱かない人はいないでしょう。
教育についてKIYOSHIじいさんはこんなツイートをしています。
「前に教えましたよね?」という言葉はワシは使わない
前に教えたのに何故伝わらなかったのか?まずは自分の教え方の悪さを省みる
前に教えましたよね?は威圧感、恐怖感を植え付けるだけで百害あって一利なしとワシは考える
そもそも人が1回で覚えられるとは思ってない。何回でも伝えるよ( ^ω^ )
— KIYOSHI@フルリモートエンジニア&フル投資家 (@kiyothink12) September 9, 2018
上記の言葉も圧倒的な威圧感、つきはなしを感じますよね。
フロントエンドエンジニアは楽しめた
JavaScriptはブラウザで即座に実行される。それが何よりも嬉しかった。私に必要だったのは小さなステップと目に見える成果、そして自信だったのだろう。JavaとJavaScriptはメロンとメロンパンくらい違うと言われるが、確かに違った。私はJavaでなくJavaScriptから入るべきだった。「とりあえず動いて表示される」を繰り返すことが私にとっては必要だった。
自分の記事では下記のように書いており、まさにそういう人がいたと嬉しくなりました。
他のプログラミングより環境構築なしでも動かすことができるため入りやすく、またサイトの見た目を作る部分になるので面白さがあります。
例えば、お洒落なサイトのアニメーションやダイナミックな動きのあるサイトはフロントエンドエンジニアが作っているのです。
また、
入社して2年目になるとVue.jsを覚え、社員エンジニアとしては希少なWebフロントエンド専門という立ち位置を獲得し、それなりに毎日楽しくJavaScriptを書くことになった。エンジニアとしてのキャリアがスタートしたのを感じた。
とあるので、プログラミングに向いてないわけではない気がします。
本人も理解してると思いますが単純に始める順番が違かったのでしょう。
自分はフロントエンドエンジニアから始めており、初期にPHPを挫折しフロントエンド専門になり、徐々にWebサービスを作りたくなってRubyを学びました。
学びにはやはり順番があって、段差の低い階段を進む方が疲れは少ないんですよね。
職種を広げるためデザイナーになったがリテイク(フィードバック)続いた
割と皆さんの感想がプログラミングにフォーカスされてますが、このデザイナーFB恐い問題も割と闇かなと思います。
「とりあえず自分でやってみて、わからないところがあったら相談して」スタイルで開発とUIデザインをすることになった私だったが、デザインのレビューがほとんど通らないくらいポンコツであったため、何度もリテイクが続いた。結局、リリース直前までデザインを大幅に変更し続け、それに合わせてコードも変更する、ということが続いた。
デザインについて上司から何度もリテイクをもらい、夜遅くまで他のデザイナーと相談しながら修正、翌日持っていくと全然違う方向からリテイクをもらう(以前と言っていることが矛盾していることが何度もあった)、ということを繰り返した。当然のように鬱病になった。積み上げては崩し、積み上げては崩し、賽の河原と同じ仕組みである。
彼は、リテイクと書いてますが自分がもといた会社ではFB(フィードバック)と読んでいました。
つまりだめだしであり作り直しですね。
自分も最初はWebデザイナーで始まったのでデザインもかじっていましたが、デザインってほんと答えがないのでどこに向かえばいいかわからないんですよね。
また偏見かもしれませんがFBをくれる人も割ときつめに物を言ってくるような人が多い(そう出ない人もいるとは思いますが)ですし、割とこじつけの世界なので、どうしてこうしたっていうのを言えないと厳しいです。
彼がそうかわかりませんが、気が弱いとどんどん付け込まれていじめっぽい感じでFBされてる人も見たことがあります。
この事象ももしかしたらプログラミングのようにマッチングしていなかったし、上司に恵まれなかったかもしれません。
やりたいことを見つける
そして最終的には好きな絵とプログラミングを結び付けたいという素晴らしい目標で締めくくられます。
ここで、あれ、やっぱプログラミングやりたいのか!と感じました。
プログラミングそれ自体は面白いと思うし、今後も一生続けていく。計算機はすごい。
いつか絵のスキルとプログラミングのスキルを交差させよう思っている。世の中には絵とプログラミングを組み合わせて楽しいことをしている人がたくさんいるので、今は彼らの背中を追いかけて走っている。今はとにかく毎日が楽しい。収入が減ったので不安もあるが、時間が増えて元気になったことは何よりもメリットだった。とにかく今年一年はやりたかったことをすべてやる予定である。
つまりプログラミングの適性はあったわけです。JSも楽しいと感じてる時点でそれは間違いないでしょう。
何が失敗だったのか、、ですが
- 入る会社を間違えた(教育文化がない)
- 人間関係を円滑にするスキルがたりなかった
- 挫折をやり過ごすことができなかった
の3点が失敗だったのかなというのが個人的所感です。しかし、彼はそれがきっかけでやりたいことが見つかりそれに向かってます。
他の会社では、その夢に向かうまでにいい意味でも悪い意味でももう少し時間がかかっていたかもしれません。
結果的には前向きに生きていることを応援するユーザーの気持ちがブックマーク数に表れているんだろうなと思いました。
プログラマーを挫折した方向けに下記記事を書いていますのでよかったら参照ください。
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