先日以下のようなツイートが流れてきたので返信してみました。
Web業界の自社開発は納期緩めで人が多いから個人のタスクも分散されてるし年収高い、受託はインフラもコードもマネジメントもとにかくなんでもできないと一人前ではないけど大企業よりは年収低めって感じなのかな。
個人的には後者の方が年取ってから絶対いいと思ってるけど、どうなんだろ〜
— 宮水@駆け出しVimmer (@rails_java_like) 2019年1月22日
自分の返信は以下
自分もそうですが周りも受託制作から自社開発に移る人多いですね。
スキルはつきますが歳取ってから受託がきつくなってくる人が多い気がします!
自分は自社開発企業に1年、その後業界3位のWeb制作会社に5年間務め、現在はフリーランスとして自社開発会社に常駐してます。
その経験を踏まえて受託制作と自社開発の違いとそれぞれのメリットを深掘りしつつ詳しく解説します。
また書いたものは多くの会社に当てはまると思いますが全ての会社に当てはまるわけではないことはご了承ください。
受託制作とは?
受託制作とは他社の制作業務を請け負うことです。
例えば会社のHPは誰が作ってるかと言えば多くはその会社ではなくその制作を請け負う制作会社です。
受注先の会社が発注し、Web制作会社のデザイナー、コーダー、バックエンドが制作に取り掛かります。
クラウドワークスを見ると分かりやすいですが仕事を頼みたい人と仕事をしたい人が集まってますね。
そのため、クラウドワークスで仕事を得る人も受託制作になります。
受託制作のメリット
受託制作のメリットは以下になります。
- 1から作るやりがいがある
- 飽きにくい
- 技術力がつきやすい
- 自分ルールを確立できる
- 人の入れ替えが早いから割と早く上のポジションにいける
- 収益が安定している
一つずつ補足していきます。
1から作るやりがいがある
受託制作の場合1から作れるプロジェクトに関わる割合が高いです。
1~10まで経験できるため、要件定義から実装、納品までの実績が得られます。
また納品した時のやりがいは他に代えがたい達成感があります。
飽きにくい
同じサイト、同じアプリの運用に比べて新しいものを作ることになるので飽きにくいです。
自分が携わった新規構築サイトでも5年間で20サイトほどです。
技術力がつきやすい
ある程度制作者の手腕で新しい技術を取り入れたり、知らなかったり実装したことない技術の要件が出てくるので技術力はつきます。
自分ルールを確立できる
制作会社の場合、大きいプロジェクトから小さなプロジェクトが何個も乱立することになります。
例えば1ページのLPや20P位の小規模サイトもあります。
その制作ルールを決めることも可能です。例えばコーダーなら命名ルールなどを作ることができます。
この経験はかなり大事で、面接でも設計ルールや命名ルールを設定した経験やその時意識したことを聞かれることが多いです。
人の入れ替えが早いから割と早く上のポジションにいける
割と辞める人、入社する人の入れ替えが激しいです。そのため上の人もどんどん辞めていき気づけば自分がトップということもあります。
現に自分も5年で部の責任を負う立場となりました。
収益が安定している
受注制作はある意味自転車操業なので、止まったら終わりです。。
しかしその逆で動けば絶対利益になる仕組みなので顧客がいる以上は安定しています。
不況の場合も、景気のいい会社から仕事をもらえばいいだけなのでそこまで浮き沈みがない印象です。
受託制作のデメリット
- 技術が井の中の蛙化
- 消耗が激しい
- 残業が多い
- 薄給
こちらも一つずつ補足していきます。
技術が井の中の蛙化
会社がある程度推進する技術というのは決まってくるので、新しい技術が定着するまでに時間がかかったり、導入を認めてくれない、理解が得られないというパターンがあります。
またスピード重視のため学習コストがかけれないということもあります。
消耗が激しい、残業が多い
基本的に受注制作は顧客のスケジュールに合わせなければいけないので詰め詰めになることが多く、また人手不足の為そのペースについていけず一人ひとりの負荷が高くなります。
自分の5年間を平均するとだいたい残業時間70~80時間だったかなと思います。上は100時間越えですね。。
ただ最近は国からの規制も厳しいのでましになっていると思います。
薄給
また、アプリのように大流行みたいなバブルもないので沈みも少ないのですが反面、役職がないと高年収はあまり望めません。
自社開発とは?
自社で開発したサービスによって利益を出し運営する企業を指します。
例えば有名どころはFacebookやLINEや食べログなど、自社開発で運営してる企業は非常に有名な企業があります。
制作会社は小規模も大手も違いは少ないのですが、自社開発は違いますので大手と小規模で分けてみます。
自社開発×大手のメリット
- 高収入を得やすい
- 友人に自慢できる
- 残業が少ない
- 技術力のある人有名な人が多く在籍する
- 安定して働ける
自社開発×大手のデメリット
- 飽きやすい
- やりがいを感じられない
大手×自社開発は割と最強でデメリットは、やりがいの部分になります。
大きな組織の歯車となるため、サービスの一部の一部を作る仕事を繰り返し、それに飽きることがあります。
ただ時代に沿った新しい技術を習得する意欲のある現場は多いのでそういった企業には当てはまらないデメリットかと思います。
下記のように配属先がハズレということもありますね。
「自社開発企業さんでは配属ガチャは発生しない」かというとそんなことは全然なくて、実際僕のG社さん時代の同僚の方はPHP5全盛時にも関わらずPHP4プロジェクトに配属されてしまった方もいらっしゃいましたし、人数多いと自社開発企業さんでも配属ガチャでハズレを引く確率はそこそこ高いわけですな😅
— 勝又健太@テック系YouTuber (@poly_soft) July 8, 2019
「自社開発企業さんでは配属ガチャは発生しない」かというとそんなことは全然なくて、実際僕のG社さん時代の同僚の方はPHP5全盛時にも関わらずPHP4プロジェクトに配属されてしまった方もいらっしゃいましたし、人数多いと自社開発企業さんでも配属ガチャでハズレを引く確率はそこそこ高いわけですな
自社開発×小規模のメリット
- 小規模でしかできない経験ができる
- 先行者利益が発生する
- 技術力が上がる
小規模なため携われる部分が大手よりは大きいです。
そのため小規模でしかできない経験や技術力の向上、売り上げが爆上げすれば収入も上がりますし先行者利益は発生するでしょう。。
自社開発×小規模のデメリット
- 軌道にのるまでが大変
- 残業が多い
- 廃業の危険性
零細企業の自社開発、つまりベンチャーは賭けです。
とはいえ大手の自社開発企業は始まりはベンチャーが多いですし、アイデアさえ当たれば多大な利益を生み出すことも少なくありません。
ただ、それは脚光を浴びたベンチャー企業の一部であることは認識しなければいけません。
その影で多くのベンチャー企業は廃業に追い込まれます。
またサービスが軌道に乗るまでは必死に作り続けなければいけないため残業も多くなります。
その為ベンチャー企業に志望するというよりは、その自社開発が利益を生みそうだから投資しようという意気込みで身を投じるのがいいでしょう。
何にしても若いうちはやりたいことをやるべきでベンチャー企業に入ることを否定してるわけではありません。
まとめ・比較的多いロールモデルは?
以上、受託制作と自社開発の違いとメリット・デメリットでした。
同業の人ともよく受託制作会社、自社開発会社どちらがいいか論争は起きていました。
そのくらいどちらの道に進むかは難しい問題であり、結局正解はなく自分のやりたい方を選ぶのが大事です。
また、自分の周囲の人や見聞きする上で多いパターンは下記です。
1.制作会社で数年働く
↓
2.自社開発orフリーランス
1.自社開発
↓
2.自社開発orフリーランス
つまり自社開発から制作会社に進む人は少ないというのがこの業界に7年ほどいての感覚値です。
とはいえ自分は自社開発企業へいってから基本を学び直したいなと思って制作会社に入ったので逆パターンです。それもありだと思うのですが、残業が多い場合は長く働くことはお勧めしないです。。
皆さんの自分に合う道を考えるうえでこちらの記事が参考になれば幸いです。
コメント